東日本大震災から2年2013/03/11 18:54

震災から今日で丸2年経ったが、相変わらず復興、特に住宅の再建は進んでいない。先月25日の朝日新聞によると岩手、宮城、福島の3県で完成した復興住宅は、計画戸数24274戸のうち56戸だそうで、遅れの最大の要因は用地の確保ができないことだとある。用地は移転を前提としなければある。ボタンの掛け違いではないだろうかとやはり思う。
名古屋大減災連携研究センターの脇田久美子技術補佐員や福和伸夫教授らによると、国土地理院が250m四方で標高を示した地図や国勢調査(2005年)をもとにした分析で、津波の被害を受ける恐れがある標高の低い地域に、国内の人口の2割近い約2200万人が住んでいることが分かったという(2013年3月3日/朝日新聞)。もし津波被害が予想される場所に住むことが間違いであるとすれば、2200万人が間違った場所に住んでいることになる。2200万人が移転しなければならないのである。こんなばかな話はない。知恵を絞って現実的に安全に暮らすことを考えなければならない。
国土交通省が津波救命艇を開発したそうである。近くに高台などの避難場所がない小学校や老人ホームなどに設置し、津波が来る前に逃げ込んでもらうことを想定しているそうだが、その前に小学校や老人ホームこそしっかりした津波避難ビルであるべきだと思う。IHIが委託され製造しただけあって船のような形だが、航行する必要がないのに船の形をしている必要があるのだろうかとも思う。それより津波避難ビルにならない戸建て住宅の屋上や庭に置いて、普段は書斎や予備室などとして使える水に浮く津波救命部屋なんていうのは考えられないだろうか。