「インポッシブル・アーキテクチャー」~ザッハ・ハディドの新国立競技場2019/02/07 18:37

埼玉県立近代美術館で開催されている「インポッシブル・アーキテクチャー」展をきょう見てきました。インポッシブルというと何らかの事情で実現できなかったという意味合いが強く感じられますが、展示内容はもう少し幅広くはなから実現することは考えられていないものも含まれます。
中でも印象に残ったのはポッシブルだったのにインポッシブルになったザッハ・ハディドの新国立競技場でした。コンペの当初案はダイナミックではありましたがシンメトリカルな構成がスタティックであまりザッハ・ハディドらしくないように感じられ、その修正案は原案の良さであったダイナミックさが損なわれ、さらに微妙なものになったと感じていました。しかし展示されていた構造用風洞実験模型を見て見直しました。ちなみに厚さ2mくらいの分量になろうかというA4に製本された実施設計図も展示されていました。確かに当初案と比べると魅力減ですが、流れるような曲線の未来的なデザインは現在工事中の新国立競技場に比べれば建築としてはるかに魅力的です。
展覧会図録の中で展覧会の監修者でもある五十嵐太郎は新国立競技場案がキャンセルされたことについて「失われた未来の風景」と題する一章を割いています。
「『インポッシブル・アーキテクチャー』展の企画が動き出したきっかけのひとつは、われわれがその姿を目撃し、内部の空間を体験することが、もはや叶わなくなった≪新国立競技場≫を検証することだった。・・・中略・・・実際はプロジェクトとして完成するはずのものだった。すなわち、ザハ・ハディド+設計JVのデザインは、法的にも構造的にもすべてクリアしていた「ポッシブル・アーキテクチャー」なのである。・・・中略・・・将来、日本の現代建築の歴史を振り返ったとき、この顛末が大きな禍根になるのではないかと危惧している。」(「インポッシブル・アーキテクチャー」展図録16~17ページより)

埼玉県立近代美術館(設計:黒川紀章/1982年)
埼玉県立近代美術館

新聞信じられる?2019/02/10 15:19

朝日新聞
2019年2月9日19時35分
韓国議長「天皇の直接謝罪で慰安婦問題は解決できる」

毎日新聞
2019年2月9日 23時31分(最終更新 2月10日 01時27分)
韓国議長「天皇陛下の謝罪で慰安婦問題は解決」 米メディアに

読売新聞
2019年2月10日
天皇陛下の謝罪で「すっきり解決」…韓国議長

日本経済新聞
2019年2月9日 18時06分
元慰安婦「天皇陛下が謝罪を」韓国の国会議長

NHK
韓国の国会議長「総理大臣か天皇陛下が謝罪を」
2019年2月9日 18時04分
アメリカのメディアは、歴史問題を含め悪化している日韓関係について、韓国のムン・ヒサン(文喜相)国会議長が、「総理大臣がひと言言うか、戦争犯罪の主犯の息子である天皇陛下が高齢者の手を握り、ひと言謝ればすべて解決される」と述べ、安倍総理大臣か天皇陛下が謝罪すれば問題は解決するという考えを示したと、伝えました。・・・


「天皇陛下が謝罪を」と「総理大臣か天皇陛下が謝罪を」では日本国民が受ける印象はまるで違うのではないでしょうか。
残念ながら日本の主要紙は真実を伝えるということよりも読者の耳目を集めることしか考えていないか、日本語が苦手なようです。

あの法政大学55・58年館が解体2019/02/23 22:23

大江宏の代表作で戦後モダニズム建築の名作、法政大学55・58年館が解体されるとのことで、校舎のお別れイベントとして2月23日・24日開催されている「55・58フェアウェルDays」にきょう行ってきました。
学生の頃見に行ったことがあり、その凛とした美しさは今でも変わりませんが、この名建築を壊して写真の右後ろの方に写っているような大きくて立派な建物に建て替えられるようです。

法政大学市ケ谷キャンパス55・58年館
法政大学55・58年館


このすぐ近くにはやはり大きくて立派な建物の東京逓信病院がありますが、これも1937年に建てられ戦前のモダニズム建築を代表する山田守による名建築を壊して1982年に建てられた建物です。

お金の問題で壊して建て替えるのはやむなしと相成っているようですが、その同じお金を使って城を再建するとか鉄筋コンクリートの城を修理することなどより、今ある真に価値ある建築を耐震補強工事や用途変更などをしてでも残すことの方が、地域を文化的に豊かにし、ひいては観光客を呼び込めることにもつながると思います。

近くの飯田橋駅前にある1970年に建てられた岡田新一による日本歯科大学体育館は建っていましたがさてどうなるのか。

日本歯科大学体育館
日本歯科大学体育館