土屋 裕 blog

今日、岡部耕大さんにご招待いただき、岡部さん作・演出の『隠岐騒動』を観劇してきました。幕末、隠岐に島民による自治国家が樹立され、たった81日で消えてしまったという劇的な歴史の一コマを題材にした痛快な演劇です。岡部さんご自身が小学３年から４年まで隠岐に暮らし、岡部さんのお父様のお墓も隠岐にあるという岡部さんのDNAがこの作品を書かせたということです。隠岐騒動という歴史上の出来事を題材にしながら、場面はすべて現代で、岡部さんをモデルにした作家も登場し、現在を通して劇中劇で隠岐騒動を描くという凝った構成です。
この劇を観たついさっきまで隠岐騒動のことはまったく知りませんでした。たまたま今読みかけの島崎藤村著『夜明け前』なども馬籠が舞台とはいえ、ちょうど同じ頃の幕末を描いたもので、馬籠に限らず日本中の様々な出来事に触れられていますが、さすがに隠岐のことは書かれていないようです。アツい出来事がたぶんまだ他にもあったアツい時代だったのだろうなと、しらけ世代の自分はまぶしく思えるのでした。